花物語

花物語 (講談社BOX)

花物語 (講談社BOX)

予想の内にはあったけれどやはり予想外としておくべきか神原駿河の語り
正直な感想で言えば化物語っぽく無かった、きみぼくシリーズを読んでいるようだった
まぁどちらにしても西尾作品である事には替わりない
神原の語り口がどうにも私の持つ彼女のイメージに合わなかった
唯一暦登場のシーンにおいてのみ彼女のイメージが戻った気がする
これは猫物語白において羽川が語ったときには感じなかった違和感
彼女の内面的なものが語られつつもそこには常にこちらが思い浮かべる羽川翼像があった
しかし、今回の神原にはそう言うものが感じられなかった
それほどに神原は自分を演出していたと言う事だろうか
そう考えれば自分語りになった今回の違和感には合点が行くものではある
私は傾物語からの直接的な話の流れを期待したが故に目標を見失って以降の展開も見失ったけれど
読む人によれば猫白、傾きと各ヒロインにある意味での決着をつけていたわけで
今回の花物語も神原に決着をつけている、と考えるならば次回作以降にも展望が開ける
まぁここに至るまでに広げた風呂敷をキッチリ回収するのかどうかという意味では絶望的に巻数が足りないか、圧倒的な本のぶ厚さになるかを予想してしまうけれど
そこ等辺は素人が予想しても仕方ない事だ、次回作発売の6月をただ待つとしよう